縁と運とタイミング②

 先日、出張で仙台に参りました。私は、あまり東北地方には縁がなく、住んだこともなければ、訪れたのも裁判官時代に日帰り出張で訪れて以来でした。なお、その時は出張でしたので、仙台に着いて昼食に冷やし中華を食べ、用事を済ませた後、急いで牛タンを食べて電車に飛び乗って帰ったことを覚えています。今回もそれほど時間があったわけではないのですが、それでも一泊できましたので、前回よりはゆっくりと街を見て回ったりしたのですが、街はとてもきれいで、大きさもちょうどよく、食べ物もおいしく、思った以上に好印象を抱きました。また、仙台といえば、漫画家荒木飛呂彦氏の出身地で、同氏の「ジョジョの奇妙な冒険」第4部の舞台のモデルでもあるとされていますが、私は荒木飛呂彦氏のファンでもありますのでそういう意味でも来ることができてうれしく思いました。

 裁判官時代、寒いところが嫌だといって、東京以北に転勤したことがないばかりか、国外についても、割と赤道に近いところばかり行っていましたが、そういって、転勤で行ったダラスについては、中学生以来ファンだったアメリカンフットボールのチームの本拠地ですし、沖縄は、私が20年来のファンであるシンガーソングライターのCoccoの故郷であり、愛媛県は、私の大好きな夏目漱石氏の小説「坊ちゃん」の舞台でもありましたので、私の縁は、どちらかというと温暖な地にあるのだろうと思っていました。

 ところが、いざ裁判官を辞めてみると、いともあっさり、仙台に転勤するのもよかったかも、などと思ってしまいますし、探してみれば、何らかの「つながり」なんていくらでも見つかるものでもあります。縁なんてその程度のものだ、とも思いますし、ともあれ、実際に行くことはなかったという意味でも、そういうのがタイミングなのだとも思います。ともあれ、実際に遭遇した縁は大事にしたいですし、食わず嫌いはよくないものだと年齢を重ねるほどに実感します。頑固さとか、食わず嫌いで失ってしまった縁もあるでしょうし、そんなことを考えるとぞっとしますが、それはそれとして、そもそも限られたものであり、かつ、一秒一秒より限定されていく人生ですので、今後のご縁を大事にしたいものです。そんなわけで、タイミングが合えば、どこかに、それもできるだけ遠くに出張できるお仕事をいただけたらと思います。ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

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