Sound Sleep
はじめて、本格的な健診を受けたのは、カンボジアに行く前でした。医療水準の必ずしも高くない国に赴任するために必要だったようです。カンボジアに行く直前の仕事場は非常にストレスフルであったので、健康診断の結果は極めて悪く、危うく行けないかもしれなかったことと、併せて3日間で11本の予防接種を受けることになったことも、無事カンボジアに赴任できた今となっては良い思い出なのですが、今思い出しても気が重くなるのが内視鏡検査(胃カメラ)でした。
体験された方はご存じかもしれませんが、胃カメラが食道の壁に触れてしまうと、吐き気が催されてしまう(嘔吐反射というそうです。)のですが、その反射によって食道の別の場所に胃カメラが触れることとなり、さらなら嘔吐反射が起きてしまうので、ひとたびえずき始めるとその連鎖を止めるのが困難なのです。私も、そのときは、胃カメラを入れている間中、ほとんどずっとえずき続ける羽目になってしまったのでした。
そんなこともあり、その後ずっと胃カメラは避けていたものの、ついに胃がん健診を受ける必要のある年齢に達してしまったのですが、そのときに、鎮静剤を投与してもらうという手段がある、ということを知りました。いくばくかのリスクはあるようでしたが、あの苦しい思いをするよりは、と思いそのコースを選択しました。
その時の内視鏡検査のことは今でもしっかりと印象に残っています。
鎮静剤を点滴に入れられた後、看護師の方から、1から10まで数えてください、といわれ、なんだかドラマのセリフみたいだな、と思いながら数を数え始め、6あたりまで数えたあとの次の記憶は、看護師からの「検査は終わりましたよ」という呼びかけだったのです。そんなわけで、私には検査を受けた記憶すらないわけですので、何らの苦痛がないというのみならず(あるいは検査の際の記憶を失ったのかもしれませんが、私に確認するすべはないので事後的、主観的には同じことです。)、検査後の休憩から目覚めた後は、かつてないほどすっきりと熟睡できた感覚すらありました。
一度、鎮静剤を利用した内視鏡検査を受けた方はその後も殆どが鎮静剤の利用を希望するそうですが、私も、苦痛がないばかりか、(薬剤に対してこのような言い方をするのも不適切かもしれませんが)かつてなく熟睡できた感覚にすっかりはまってしまい、その後も、内視鏡検査の際には常に鎮静剤の利用を希望し続けています。
今年は夏休み中に内視鏡検査を受けてすっきり参りました。検査結果は1ヶ月後程度に判明するのですが、そこで大きな異常が判明した場合は別としまして、下半期も引き続き全力で業務に取り組みたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。