ビブグルマン

「後味」、「映画」という言葉で検索をすると、上位に表示されるのは、後味の「よい」映画よりもむしろ、後味の「悪い」映画の紹介をするサイトばかりです。映画を含めた「物語」に、何を求めているのか、というのは人によって違うと思いますが、少なからぬ人が時には後味の悪い映画を好んでいるということがいえるのではないかと思います。私も好きで、後味の悪い映画のランキングサイトに載っている映画を片っ端から見たこともあり、今回この投稿をするにあたって参照したサイトの上位はほとんど見ていました。

 どの映画がどのように後味が悪いという風に説明するのは半分ネタバレになりますので具体的な映画名を挙げるのは避けて、思いつく限りで後味の悪さの種類を挙げていくと、

良い意図に基づいてした選択が自分や他者に悪い結果を及ぼす

良い人に対して理不尽な不運が襲い、それを克服できない(悪に落ちざるを得ない)

エンディングの解釈が複数存在して確定できない

行った行為は許されざるものであるが、そうせざるを得なかった背景は極めて同情的である

悪い意図に対して正当と思われる罰が与えられない

単純に不快、理不尽である(が、映像が美しくて目が離せない)

おおむねよい働きをする社会システムが、個別具体的な事例において悪い結果を及ぼす

などといったところでしょうか。

体系的でもないですし、網羅的でもないとは思うのですが、私が今までみてきた後味の悪い映画を思い出してみて、このような感じになりました。こうして見返してみると、全体的には、アンビバレントな思いを抱かせる映画の居心地の悪さというものが、後味の悪さの正体ということができるかもしれませんが、後味の悪い映画には、シンプルにそういう風にくくれない魅力があるようにも思います。なお、後味の悪い映画としてよく名前の挙がる作品として、「ミリオンダラーベイビー」、「ダンサーインザダーク」の2作品があります。私は、何度か、前者を女性版ロッキーだといって、後者を、ミュージカル映画だよ、といって知人に見せたことがあります。そうと知らずに見ていただいた方が後味の悪さを堪能できると思ったからではあるのですが、いずれも後で怒られました。この点が、後味の悪い映画をおすすめすることの難しさではありますが、ともあれ、どちらも後味が悪くも美しい映画となっておりますのでご興味がありましたら是非ご覧ください。

 

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